<以下は、病気で重度の知的障害となった、28歳の息子さんを持つ50代の主婦の方からいただいたメールです。>
~飛行機を利用するにあたって感じること~1通目のメール息子の搭乗経験は、これまでにわずか2回しかなくて、ほとんど参考にならないと思いますが、その時の心理状態は、とにかく「緊張」の一言に尽きました。
地上係員の方に息子のことを話して、最初に搭乗させて頂き、他の人の邪魔にならずに、先に座れたのはとても助かりました。
障害者に接するときは、なるべく分かりやすい言葉で、ゆっくりはっきりと話してください。
大声で急かしたり、難しい言葉で話すと、理解出来ずに黙り込んだり、中にはパニックになる人もいます。
ほとんど付き添い人(介助者)がいますので、配慮して欲しいことを搭乗前に確認し、機内の客室乗務員に伝えて頂けると助かります。身体障害と違って、知的障害は見た目で判断するのが困難な場合もありますが、心身の遅れは幼さに通じますので、優しく接して頂くことで、安心して素直に応じることが出来ます。
2通目のメール他の母親達と話す機会があり、搭乗前に困っていることについて尋ねてみました。
大変なこととして・・・飛行機の場合、搭乗まで結構待ち時間があるため、待合室で時間を持て余して騒いだり、飛行機に乗るのを急に嫌がったりして、付き添いの親はとても疲れてしまうそうです。周囲の人への配慮と、子供への対応で、緊張し疲れ切ってしまいます。
これは、赤ちゃんや幼児連れの親が感じる不安な気持ちと共通するものだと思いますが、大きな人(私の場合は28歳の息子)が騒ぐのは、周りから見ても異様なものです。周りの人も困惑したり、時として恐怖を感じると思います。
☆無理な要求だと重々承知の上ですが、一般の方と少し離れた待合場所を提供して頂ければ、落ち着いて待っていられる・・・との意見がありました。
☆また、「飛行機の中では楽しいことがあるよ(ジュースやオモチャがもらえるよ)」などと、声がけをしてもらえると、飛行機に乗るのが不安な障害児・者にとって安心感に繋がるかも・・・と言う声もありました。
知的障害者といっても、一人で旅行が出来る人から、目が離せない重度者まで、障害の程度は様々なので、それぞれ対応の仕方が違いますが、付添人(大抵親です)に声を掛けて頂くのが一番だと思います。
ホンネ・・・「まじ、外では緊張の連続です!」
息子は突然、歓喜の雄叫びをあげるから、皆がサッと離れてしまいます。怖い事件が頻繁にある世の中だから、仕方がないけれど、やっぱり孤立感を感じるし、すごく悲しくなるときもあります。だいぶ慣れたし、こんなことぐらいでめげていたら、生きてなんかいかれない、ガンバルしかない!」
*「(東京都)大田区知的障害者育成会」では、昨年より一般の方に知的障害者を理解して頂くための委員会を立ち上げました。(大田あんしんネット・心のバリアフリーすすめ隊)
◎「知的障害」とはどんなことなのか知りたい。
◎知的障害を持つ人達の地域での暮らしを知りたい。
◎障害があろうとなかろうと安心して暮らせる地域を作りたい。
等の事柄に興味を持ち、一緒に考えてくださる方々にそれぞれの立場でご理解とご協力を頂きたいと思っています。「こんな取り組みがあるんだ~」と、心に留めておいてもらえるだけでとっても嬉しいです。
病気で重度の知的障害者となった28歳の息子を持つ50代の主婦より