詳細:シルバーカーと歩行車

最近街でシルバーカーを押している高齢者をよく見かけますが、先日、シルバーカーを利用している方の転倒事故や交通事故が増えているとの報道がありました。

シルバーカーその原因の一つに、杖代わりになる、との誤った安心感が指摘されていました。ショッピングカートのように使え、途中で腰掛けることもできる便利さがある上に、手押し車として体の支えにもなると感じられるからでしょうか。

シルバーカーは、(財)製品安全協会のSG規格では、主として自立歩行が可能な高齢者が、外出の際に、歩行や品物の運搬及び休息に用いる、車輪が4輪以上の『歩行補助車』と定義されています。この定義によれば、シルバーカーには歩行そのものを支える機能までは求められていないと解釈すべきですので、体重負荷を充分に受けとめ、歩行を安定させるようには設計されていないことを知る必要があります。

歩行車同協会のSG規格では、歩行を支える機能を有する機器として『歩行車』を定義しています。その定義では、「左右のフレームとその連結フレームからなり、フレーム下端部に車輪が付いた歩行補助機器をいい、使用者がその間に立ってフレームのハンドグリップや肘あて等で体重を支えて移動するもの」が『歩行車』とされています。

全体的に太目のスチールパイプで作られており、また、体を支持面の中に入れることが出来る上、押し手(グリップ)を体の左右前方でつかめるため、前後左右の安定性が得られるとされています。下の写真で歩行安定性の違いを感じていただけますでしょうか。

歩行車(歩行車)シルバーカー(シルバーカー)

このような『歩行車』が、シルバーカーほどに普及していない理由に、値段の高さ、見た目(いかにも福祉用具)などが挙げられていますが、介護保険制度の適用やデザインの改良などによって今後は需要が増えていくものと思われます。

ともあれ、私達は、シルバーカーに頼る高齢者の歩行不安定さに注意を払いたいと思いますし、特に横断歩道では、シルバーカーがあれば渡り切れるとの判断ミスも生じやすいとのことですので、見守りと適切なお手伝いを心したいと思う次第です。
(平成21年3月24日:鴨志田)

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